実家の押し入れや物置を整理していると、金属製の古い自動車やロボット、電車などが出てくることがあります。
こうした昔の「ブリキのおもちゃ」の中には、現在ではコレクターズアイテムとなり、数万円から数十万円、希少なものではさらに高額で取引されるものがあります。
ただし、古いブリキのおもちゃなら何でも高価になるわけではありません。
価値を判断するうえで重要になるのが、
- メーカー
- 製造年代
- 商品・キャラクター
- 希少性
- 保存状態
- 箱や付属品の有無
- 国内向け・海外輸出向け
などです。
特に日本では1950~60年代にブリキ玩具の生産が盛んになり、増田屋、野村トーイ、米澤玩具など、多くのメーカーが個性的な商品を生み出しました。宮崎県延岡市が公開しているブリキ玩具資料でも、増田屋、野村トーイ、アルプス商事などの商標が紹介されており、1950~60年代がブリキ玩具製造の最盛期だったとされています。
この記事では、現在でも価値が評価されやすいブリキ玩具メーカーと、その代表的なおもちゃ、高額になりやすい条件について紹介します。
ブリキのおもちゃはなぜ価値がある?
ブリキ玩具とは、主に薄い鋼板にスズをメッキした「ブリキ」を加工して作られたおもちゃです。
自動車、電車、飛行機、ロボット、動物、キャラクターなど、さまざまな商品が作られていました。
特に戦後の日本では玩具が重要な輸出品のひとつとなり、日本製のブリキ玩具が海外へ大量に輸出されました。
そのため、現在でも海外には日本製ブリキ玩具のコレクターが多くいます。
価値が高くなる理由のひとつは、現存数が減っていることです。
ブリキ玩具はもともと子どもが遊ぶための商品なので、
- 落としてへこむ
- 塗装が剥がれる
- ゼンマイが壊れる
- 電池の液漏れで内部が腐食する
- 部品をなくす
- 成長後に処分される
といったことが珍しくありません。
そのため、発売から50年、60年、70年と経過した現在まで良好な状態で残っているものは、それだけでも希少です。
ブリキのおもちゃで価値がある代表的なメーカー
ブリキ玩具にはさまざまなメーカーがあります。
メーカー名が分からない場合でも、本体や箱に残されたロゴ・マークから判明することがあります。
増田屋・マスダヤ(Modern Toys)
ブリキ玩具を代表するメーカーのひとつが「増田屋」です。
正式には増田屋齋藤貿易で、「マスダヤ」「Modern Toys」と呼ばれることもあります。
増田屋の歴史は古く、公式資料によると昭和初期にはブリキや鉛などを使った金属玩具を製造し、アメリカなどへの輸出も行っていました。戦後の1949年には株式会社増田屋齋藤貿易となっています。
増田屋のブリキ玩具には、
- ロボット
- 戦車
- 自動車
- バス
- 消防車
- 飛行機
- 宇宙船
- 動物
- キャラクター玩具
など幅広い種類があります。
商品例としては、
- ソニコンバス
- ムーンロケット
- M-81 TANK
- SKY PATROL
- ブリキ製消防車
- 仮面ライダー関連玩具
- スペクトルマン関連玩具
などがあります。
増田屋製だから必ず高価になるわけではありませんが、希少な商品には高値がつくことがあります。
Yahoo!オークションの「増田屋 玩具」の過去180日間の落札データでは、平均落札価格が約1万4,000円、最高価格が70万円を超えるケースも確認できます。もちろん、この最高価格にはブリキ玩具以外の商品が含まれる可能性があり、個々の商品価格は状態・希少性によって大きく異なります。
ブリキ製の乗り物に限定した検索でも、最高18万円を超える落札例が確認されています。
古い増田屋製品を見つけた場合は、捨てる前に確認しておきたいメーカーといえます。
野村トーイ(TN)
野村トーイも、日本のヴィンテージ玩具を代表するメーカーです。
特に1950年代頃のブリキ玩具で知られており、海外のコレクターにも人気があります。
野村トーイの商品には「T.N」のマークが使われているものがあります。
古いブリキ玩具の底面などに、
「T.N」
「TRADE MARK」
「MADE IN JAPAN」
といった表記があれば、野村トーイの商品である可能性があります。
延岡市の資料でも、ひし形の中に「T.N」と記されたマークが野村トーイの商標として紹介されています。
代表的なジャンルには、
- ブリキロボット
- 自動車
- バス
- 消防車
- 鉄道玩具
- 動物玩具
- 人物をモチーフにした機械仕掛け玩具
などがあります。
特に昭和中期のロボットや電動玩具には、精巧なギミックを備えたものがあります。
現在のオークション市場でも「野村トーイ」関連商品には高額品があり、Yahoo!オークションの過去180日間の検索では平均落札価格が約2万2,000円、最高80万円を超える落札例が確認されています。こちらもブリキ以外を含む検索結果なので、価格はあくまで市場の一例です。
米澤玩具・ヨネザワ(YONEZAWA)
「米澤玩具(ヨネザワ)」も、ブリキ玩具を語るうえで外せないメーカーです。
1932年に東京・浅草で米沢商店として玩具卸業を始め、戦後に法人化。1950~60年代には数多くのブリキ玩具を製造し、海外向け商品も展開しました。
本体や箱には、
- YONEZAWA
- YONE
- MADE IN JAPAN
などの表記が残っている場合があります。
商品には、
- ロボット
- 戦車
- トロリーバス
- 自動車
- 電車
- 飛行機
- 消防車
- スペース玩具
などがあります。
例えば、
- シャーマンタンク
- トロリーバス
- ブリキ製自動車
- ロボット玩具
- 電池式の乗り物玩具
などが知られています。
近年のオークションでも、米澤玩具のブリキ製シャーマンタンクが1万円台~2万円台で落札されている例があります。
もちろん、商品によってはこれより安いものも高いものもあります。
ヨネザワの場合も、特に1950~60年代の商品や箱付きの美品、輸出向けの珍しい玩具などは確認しておきたいところです。
萬代屋・バンダイ
現在では「バンダイ」として知られるメーカーも、昭和期にはブリキ玩具を販売していました。
バンダイの公式沿革によると、1950年に「萬代屋」として設立され、1951年には玩具の輸出販売を開始しています。
1955年には「1956年型トヨペットクラウン」を発売。1961年に萬代屋からバンダイへ社名を変更しました。
そのため、古い商品では現在の「BANDAI」だけでなく、「萬代屋」の表記が見つかることがあります。
代表的なジャンルには、
- 自動車
- バス
- オートバイ
- 鉄道玩具
- キャラクター玩具
などがあります。
特に昔の国産自動車をモデルにした大型ブリキ玩具などにはコレクター需要があります。
トヨペットクラウン、日産セドリックなど、実車自体に旧車としての人気がある車種の場合、玩具コレクターだけではなく自動車ファンから注目されることもあります。
アルプス商事(ALPS)
「ALPS」の商標で知られるアルプス商事も、古い日本製ブリキ玩具で名前が挙がるメーカーです。
延岡市のブリキ玩具資料でも「ALPS MADE IN JAPAN」の商標が紹介されています。
アルプス商事では、単純な自動車玩具だけではなく、
- 動物
- 人物
- ロボット
- 楽器を演奏する玩具
- 電動ギミック玩具
など、動きを楽しむ機械仕掛けの商品も作られていました。
古い海外向け商品では、外箱に英語の商品名が大きく記載されていることもあります。
現存数の少ない商品や複雑な動きをする大型玩具などは、コレクター向け市場で評価される場合があります。
イチコー
自動車やバスなどのブリキ玩具を探していると、「イチコー」の名前を目にすることもあります。
イチコーは特に乗り物系のブリキ玩具で知られ、
- 乗用車
- タクシー
- パトカー
- 消防車
- バス
- トラック
などの商品があります。
当時の実車を再現した商品も多く、昭和の自動車玩具を集めるコレクターから人気があります。
大型サイズの自動車や、旧車の人気モデル、箱付き商品などは評価されやすい傾向があります。
メーカー以外にも「どんな商品か」が重要
有名メーカーの商品であっても、すべてが高額になるわけではありません。
反対に、それほど知られていないメーカーやメーカー不明の商品でも、非常に希少であれば高値になることがあります。
ロボット・宇宙玩具
特に高額商品が見つかりやすいジャンルのひとつが、1950~60年代頃のロボット・宇宙玩具です。
当時は宇宙開発への関心が世界的に高まっていたことから、
- ロボット
- ロケット
- UFO
- 宇宙船
- 宇宙飛行士
などをモチーフにした玩具が数多く作られました。
海外では「Space Toy」「Tin Robot」などとしてコレクターズアイテムになっており、珍しい商品では数十万円以上の価格になることがあります。
自動車
ブリキ製自動車も人気ジャンルです。
例えば、
- トヨペットクラウン
- 日産セドリック
- トヨタ2000GT
- プリンススカイライン
- 昔のタクシー
- パトカー
- 消防車
など、昭和の自動車文化を感じさせる商品があります。
特に実車メーカーや車種が明確な商品は、玩具としてだけでなく旧車グッズとして収集されることがあります。
キャラクター玩具
昭和の人気キャラクターを使ったブリキ玩具も注目したいジャンルです。
例えば、
- 鉄腕アトム
- 鉄人28号
- 仮面ライダー
- ウルトラマン
- ゴジラ
- スペクトルマン
- ゲッターロボ
などです。
キャラクター人気に加えて、放送当時に販売された「当時物」であることが評価される場合があります。
箱付きのブリキ玩具は価値が高くなりやすい
古いブリキ玩具で特に重要なのが「箱」です。
現在では本体だけが残っていて、箱は捨てられているケースが少なくありません。
そのため、
- オリジナル箱付き
- 説明書付き
- 付属品付き
- 未使用
- デッドストック
といった商品は評価されやすくなります。
箱が多少破れていたり、色あせていたりしても処分しないでください。
箱にメーカー名や商品名、品番などが記載されていることで、商品を特定する重要な資料にもなります。
「MADE IN JAPAN」の古い玩具にも注目
メーカー名が分からない場合でも、「MADE IN JAPAN」という表記がある古いブリキ玩具は確認してみる価値があります。
特に戦後の日本では多くのブリキ玩具が海外へ輸出されていました。
現在では海外から日本製ヴィンテージ玩具が逆輸入されることもあるほど、日本のブリキ玩具はひとつのコレクションジャンルになっています。
メーカーのロゴが小さく印刷されている場合もあるため、本体の底面や背面まで確認してみましょう。
サビや故障があっても捨てない方がよい
古いブリキ玩具では、
- サビ
- 塗装剥がれ
- へこみ
- ゼンマイ故障
- 電池式ギミックの故障
- タイヤの欠損
などが見られることがあります。
もちろん状態が良いほど評価は高くなりやすいですが、壊れているから価値がないとは限りません。
希少な商品であれば、ジャンク状態でもコレクター需要があります。
実際に米澤玩具のブリキ玩具などでは、故障やサビのある商品でも取引・買取対象となった事例があります。
また、動かない玩具を自分で分解したり、サビを研磨剤で落としたりするのはおすすめできません。
オリジナルの塗装や部品が失われることで、かえって価値を下げる可能性があります。
ブリキのおもちゃの価値を調べるときはメーカーのマークを確認
実家の片付けなどでブリキ玩具が見つかったら、まずメーカーを確認してみましょう。
特にチェックしたいのは、
- 増田屋・マスダヤ・Modern Toys
- 野村トーイ・T.N
- 米澤玩具・YONEZAWA
- 萬代屋・BANDAI
- ALPS
- イチコー
などです。
ただし、メーカーだけで価格が決まるわけではありません。
同じメーカーの商品でも、一般的な商品なら数千円程度の場合がありますが、希少なロボットやキャラクター玩具、保存状態のよい箱付き商品では数万円から数十万円になることがあります。
さらに世界的に現存数が少ないようなヴィンテージ玩具になると、それ以上の価格で取引される可能性もあります。
ブリキ玩具は商品名が分からなかったり、メーカーのマークが読みにくかったりすることも多いジャンルです。
「古いし、サビているから」と捨ててしまう前に、本体の底面や箱に残されたメーカー名・商標・「MADE IN JAPAN」の表記を確認してみましょう。
価値が分からない場合は、昭和レトロ玩具やブリキ玩具を扱っている専門店に査定を依頼するのもひとつの方法です。
